梅雨晴れ間 蓮華散歩


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ほんの少しの梅雨の晴れ間に、少し足を延ばして、蓮の花を見に出かけました。

本当はオニバスの蓮っ葉な葉っぱを見たかったのですが、残念なことにお目当てはなくなってしまっていました。

それでも、そこには「藤壺蓮」や「金輪蓮」、「瑞光蓮」等が、この季節にふさわしい高貴な花を付けようとしていました。

蓮の花の孤高の美しさを観ると、「古今和歌集」巻三、夏歌の「蓮葉(はちすば)の 濁りにしまぬ 心もて なにかは露を 玉とあざむく」という僧正遍昭の和歌が思い出されます。濁った水の中にありながら、純粋な心を保っている蓮の葉なのに、どうして葉の上の露を「宝石」のように見せかけて人目を欺いたりするのでしょうか?という意味でしょう。

誠に古今集らしく、かつ僧正遍昭らしい和歌です。出典は分かりませんが、きっと仏典などを背景にして詠まれた歌ではないかなどと思われてなりません。
それにしても、蓮の葉の完璧なまでの撥水性を見ていると、長期にわたって水をはじく洗車材料に使えないだろうかなどと余計なことを考えてしまうのは、現代人の情けないところでしょう。

蓮の中には、「藤壺蓮(とうこれん)」と名づけられたものがありました。「ふじつぼれん」とも呼ばれるらしく、『源氏物語』の「藤壺の宮」様のお名前からつけられたことが、「高田本山の蓮図鑑」のWebに書かれていました。
藤壺の宮は、光源氏の母桐壺更衣(きりつぼのこうい)に瓜二つで、「輝く日の宮」と称された美貌の女性として描かれています。「藤壺蓮」の花に備わった、華麗でありながら、それでいて孤高の気品を漂わせる空気感は、もののあはれまでも感じさせてくれるようです。

この池には、穂が出始めた蒲が生い茂り、アオサギがひっそりと漁る姿が見られたり、シオカラトンボが菱の葉の茂る水面をかすめて飛び回る姿も見られ、光あふれる盛夏が目前に迫っていることを感じさせてくれました。

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shio-g
  • shio-g

1件のコメント

  • 蓮の花は荘厳な美しさがありますね。鳥や昆虫がが水辺の自然の中で生き生きしています。

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