金沢城 極楽橋散歩

Click to rate this post!

[Total: 14 Average: 3.4]

久しぶりに抜けるような晴天に恵まれた金沢には、卒業旅行なのでしょうか、若いグループの観光客がちらほら目にとまるようになりました。

紅梅の美しい尾山神社から鼠多門に向かって金沢城二の丸方面を見上げると、「極楽橋」が見えることに初めて気づきました。

架け替えられて欄干の木の色が新しくなり、茂っていた木々が冬枯れて見通しが良くなったためでしょうか。

その「極楽橋」を渡って、久しぶりに本丸へ行ってみようと、雪吊りの残る玉泉院丸庭園を抜けて二の丸へ上がりました。極楽橋は二の丸と本丸の間の空堀に架けられた橋です。尾山御坊の時代から架けられていたと言われています。

６０年以上も昔、この橋の上で遊んでいた自分達小学生は、教員を志しているという金沢大学の学生さんと出会い、しばし楽しくお話をしたことがあります。遙か昔の忘れてしまっていた出来事でしたが、真新しい欄干に手を触れると、その情景が忽然として脳裏に蘇ってきました。この橋は名前のとおり、何か特別な世界に通じている不思議な橋だったのでしょうか。

都市の中心にあって原生林の趣を残していた本丸跡も、今では整備も進み「辰巳櫓跡」からは白銀に輝く犀奥の山々がくっきりと浮かび上がって見えました。鶴丸倉庫を下り、五十間長屋方面を振り返ると、木の間から漏れる夕陽が華やかな輝きを放っていました。

少しずつ戻りつつある若い観光客に混じって黄昏の石川門を後にしました。