金沢散歩 平町・初夏


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良いお天気に誘われて、金沢市内の山里を訪ねてみることにしました。

これといった目当てもなく、そこはかとなく山道を進んでいくと、「山のパン屋さん」の道案内が目に入りました。以前から新聞報道やテレビで目にしていたお店なので、訪ねてみることにしました。街の喧騒から離れた、細い山道の先の山里で、パン屋さんを開いて焼きたてのパンを販売しようという発想は、どうして生まれてきたのでしょう。

好奇心からやって来る、私のようなまれびとが相手ではないはずです。かといって、街からは車でしか訪ねてこれない、言うならば不便な山里ですから、収益を上げることが目的ではないことだけは確かです。何とも不思議なパン屋さんです。

ようやくたどり着いて、恐る恐るお店に入ると、既に午後だったということもあり、ほとんどのパンは売り切れ状態でした。私の前に入店された数人のお客様が、それぞれ、色々な種類のパンを袋いっぱい購入されていて、私はかろうじて残っていたいちじくパンとチョコパンを購入することができました。

テラスの赤い日傘の下の席でオレンジジュースをいただきながら、山里で焼かれたパンを味わってみました。見た目は何処にでもある普通のパンでしたが、何と、むっちりした食感に加えて、奥深い薫りと豊かな味わいが確かに感じられました。まさに絶品の美味しさでした。金沢の町中でも、ようやくテラス席でお茶や食事が楽しめるカフェが増えつつあるようですが、山里の自然の中でいただく味わいは特別な何かがあるように思いました。

私の前に、たくさん購入されていた方も、きっとお宅の庭などで召し上がるのでしょう。ご家族の楽しそうなお食事風景が目に浮かびます。

さて、山のパン屋さんは、「平町」にあります。「ひらまち」と読めば良いのか「たいらまち」なのかは分かりませんが、詳しい案内板や道案内が各所に設置されていて、地域のことがよく分かりました。

さらに、ネットで調べてみると、お店を紹介するWebページ「http://yamanopanya.jp/」が充実していて、山奥にパン屋さんを開店した時の思いや、地域の古くからの伝承、源氏の武将の流れを汲む人々が住みついたことなど、歴史のある山里であることも分かりました。

今では住む人々も以前に比べて少なくなったようですが、「山のパン屋さん」ができたことが契機となって、歴史の山里「平町」に、落ち着いたぬくもりが感じられ、「ほどよい活力」が生まれているように感じられました。
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shio-g 88
jsnadmin 7

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shio-g
  • shio-g

1件のコメント

  • 平町のパン屋さんの事は聞いた事があります。自然に囲まれたこんな素敵な山里にあるんですね。テラスで美味しいパンをほうばりたくなりました。初夏の爽やかな風と光を感じます。

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