金沢散歩 鈴見・郡家山


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ゴールデンウイーク中は雨が予想される中、最後の晴天の今日は、鈴見付近を歩いてみることにしました。


山側環状道路を南に見て、カルチャーラジオ「科学と人間」の石浦章一先生のお話をイヤホンで聴きながら、小高い丘の中腹にある「郡家神社」付近へ歩を進めました。


オートバックスの裏の道を辿って上っていくと、周りは一挙に山里の風景へと変わり、雪どけの犀奥の山々が遙か遠くに頭を覗かせる雄大な景色を望むことができるようになりました。
郡家神社は鈴見村の「うぶすな神」として知られ、「菊理姫(くくりひめ)」をお祀りしています。「日本書紀」に見えるこの姫神は、イザナギノミコト(伊弉諾尊)とイザナミノミコト(伊邪那美命)の夫婦喧嘩を仲裁したという記紀の物語に由来して、「縁結びの神」とされていますが、境内には案内板が設置されているだけで、今様の華やかさは感じられず、境内は穏やかで心惹かれる落ち着きがあるように感じられました。

郡家という名は、律令制の郡司が政務を執った役所「郡衙」とも関係があるのでしょうか?それとも、地域の豪族の館があった地なのでしょうか?などと、空想を広げてみましたが、知るよしもありません。

神社は廃仏毀釈以前、「鈴見観音」と呼ばれていたようです。境内には、大きな木々に囲まれた塚の上に神さびた小さな石の祠がまつられていました。

郡家神社は、明るい住宅地に隣接してはいますが、森閑とした境内は、何か「入ってはいけない異界」に迷い込んだような、不思議な感覚に襲われる特異な空間となっていました。

幹線道路を避けながら、「熊出没注意」の看板が設置された住宅地の頂上付近まで上り詰めると、午後の陽は既に日本海に傾こうとして標識の柱の陰は長く伸び、足下のタンポポの綿毛にも柔らかく絡みついて輝かせていました。

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shio-g
  • shio-g

2件のコメント

  • 古木の森に囲まれた神社には神さびた神々しさがあります。恐れ多く近寄りがたい群家神社の空気感を、十分には表現できないもどかしさが漂った文章になっているところが残念です。

  • 車の往来の多い住宅街のすぐそばで山里の静かな景色に出会えるなんてステキです。群家神社の姫神が見守ってくださっているのですね。

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